紙の原料「パルプ」から「紙」になるまで
「紙」がつくられるまでには、大きく分けて2つの工程があります。それは、「パルプ」をつくる工程、そしてそのパルプを使って「紙」をつくる工程です。
ここでは、パルプをつくる工程について説明します。
ここでは、パルプをつくる工程について説明します。
1. パルプとは?
パルプとは、紙をつくる際その元となる繊維のことです。主に木材や草などの原料から、この植物繊維(セルロース)を取り出します。私たちの身の回りある紙は、ほとんどがこうした植物を元につくられています。
2. パルプの原料
パルプには、木材パルプや非木材パルプ、古紙パルプ、合成繊維パルプなど、いくつかの種類があり、それぞれで原料が違います。その中でも木材パルプの原料は、一般に針葉樹や広葉樹が中心となります。
また、非木材パルプの原料としては、綿(コットン)、ケナフ、サトウキビ(バガス)、亜麻(アマ)などが使用されます。綿紙には綿織物のクズが使用され、コーヒー用フィルターや名刺などがつくられます。ケナフはハイビスカス属の植物で、成長が早く東南アジアやアフリカに自生している植物です。紙ナプキンなどに使用されます。バガスはサトウキビから砂糖を搾り取った残りの繊維からつくられます。亜麻は中央アジア原産の1年生植物で、たばこ用紙として使用されます。健康食品の亜麻仁油は、亜麻の種子を圧搾して抽出したものです。
その他に、紙として使用された古紙をもう一度新しい紙へと再生させるため、ミキサーにかけ撹拌してから、洗浄したりクリーナーでゴミを取り除いてつくった「脱墨古紙パルプ(DIP:ディ インキング パルプ)などがあります。
また、非木材パルプの原料としては、綿(コットン)、ケナフ、サトウキビ(バガス)、亜麻(アマ)などが使用されます。綿紙には綿織物のクズが使用され、コーヒー用フィルターや名刺などがつくられます。ケナフはハイビスカス属の植物で、成長が早く東南アジアやアフリカに自生している植物です。紙ナプキンなどに使用されます。バガスはサトウキビから砂糖を搾り取った残りの繊維からつくられます。亜麻は中央アジア原産の1年生植物で、たばこ用紙として使用されます。健康食品の亜麻仁油は、亜麻の種子を圧搾して抽出したものです。
その他に、紙として使用された古紙をもう一度新しい紙へと再生させるため、ミキサーにかけ撹拌してから、洗浄したりクリーナーでゴミを取り除いてつくった「脱墨古紙パルプ(DIP:ディ インキング パルプ)などがあります。
3. パルプのつくり方
では、パルプはどのようにつくられているのでしょうか。ここでは一般的な方法として、木材からパルプを取り出す方法の製造工程を見ていきましょう。
パルプには、2つに大きく分けて「機械パルプ(MP:メカニカルパルプ)」「化学パルプ(CP:ケミカルパルプ)」があります。
パルプには、2つに大きく分けて「機械パルプ(MP:メカニカルパルプ)」「化学パルプ(CP:ケミカルパルプ)」があります。
a.機械パルプとは
機械パルプとは、木材に物理的な力を加えてすり潰してパルプをつくる方法のことです。枝を払い皮を剥いだ木材に水を掛けながら、鉛筆削りの様な機械の砥石に押し当てて、大根おろしみたいにすり下ろしてつくる「砕木パルプ(GP:グラウンドパルプ)と、もう一つは、細かくチップ状にした木材を、回転する2枚の円盤状の砥石の間に投入しすり下ろしてつくる「リファイナーグランドパルプ(RGP)」があります。
機械パルプの場合、原材料としては、一般的に針葉樹の方が多く使われます。針葉樹はセルロース繊維が剛直で太く長いという特徴を持っています。広葉樹の場合、繊維はしなやかですが、細く短いため機械パルプには向いていません。
針葉樹からできる機械パルプの収率は90%以上と結構多いのですが、長くて剛直な繊維がゴワゴワしているため、パルプ強度は強くありません。そのため、機械パルプだけでの単独抄紙は出来ません。さらに、これらの機械パルプは、植物繊維同士をくっつける接着剤の役割をしているリグニン(松ヤニのようなもの)も大量に含んでいるので、長期間保存すると紫外線で退色しやすい紙が出来てしまいます。
この問題をクリアするために、3つ目の方法として「サーモメカニカルパルプ(TMP)」が開発されました。このパルプ製造方法は、木材チップを120℃の水蒸気で加熱しリグニンを溶かして、柔らかくなったチップをリファイナーで粉々にする方法です。この方法で、より強度がある使いやすい機械パルプを製造出来るようになりました。
機械パルプの場合、原材料としては、一般的に針葉樹の方が多く使われます。針葉樹はセルロース繊維が剛直で太く長いという特徴を持っています。広葉樹の場合、繊維はしなやかですが、細く短いため機械パルプには向いていません。
針葉樹からできる機械パルプの収率は90%以上と結構多いのですが、長くて剛直な繊維がゴワゴワしているため、パルプ強度は強くありません。そのため、機械パルプだけでの単独抄紙は出来ません。さらに、これらの機械パルプは、植物繊維同士をくっつける接着剤の役割をしているリグニン(松ヤニのようなもの)も大量に含んでいるので、長期間保存すると紫外線で退色しやすい紙が出来てしまいます。
この問題をクリアするために、3つ目の方法として「サーモメカニカルパルプ(TMP)」が開発されました。このパルプ製造方法は、木材チップを120℃の水蒸気で加熱しリグニンを溶かして、柔らかくなったチップをリファイナーで粉々にする方法です。この方法で、より強度がある使いやすい機械パルプを製造出来るようになりました。
b.化学パルプとは
まずはじめに、木材を高温高圧の釜の中へ薬品と一緒に入れて煮込み、木の中に含まれるリグニンを溶かしていきます。リグニンとは木材の接着剤のような役割を果たす成分です。そのため、リグニンを溶かす工程を踏むことで、繊維がバラバラな状態になります。釜で煮込んだ後は、異物などを取り除くために洗い流してクリーナーを掛けていきます。そして最後に、漂白と洗浄の工程を踏めば、紙をつくるための材料となる白いパルプの完成です。
パルプは、製法によって「機械パルプ」と「化学パルプ」の2種類に大きく分けられます。機械パルプは、機械を使って物理的な力を加えることにより、木材をすり潰してつくられるパルプのことです。変色しやすく、耐久性が低いのが特徴ですが、木材から多くのパルプを抽出できます。
一方、化学パルプは、化学薬品と熱を加えて化学反応をおこさせ、セルロース(炭水化物の一種)繊維を抽出する方法です。強度があるのが特徴で、長期保存できるというメリットがあります。機械パルプは新聞紙などに、化学パルプはコピー用紙などに使われることが多いです。
パルプは、製法によって「機械パルプ」と「化学パルプ」の2種類に大きく分けられます。機械パルプは、機械を使って物理的な力を加えることにより、木材をすり潰してつくられるパルプのことです。変色しやすく、耐久性が低いのが特徴ですが、木材から多くのパルプを抽出できます。
一方、化学パルプは、化学薬品と熱を加えて化学反応をおこさせ、セルロース(炭水化物の一種)繊維を抽出する方法です。強度があるのが特徴で、長期保存できるというメリットがあります。機械パルプは新聞紙などに、化学パルプはコピー用紙などに使われることが多いです。
パルプから紙になるまで
完成したパルプを使って実際に紙をつくる工程です。まずは、機械によって繊維を毛羽立たせることにより、繊維同士が結合しやすい状態をつくります。この作業を、パルプの「叩解(こうかい)」と呼びます。「叩解」が完了したらさまざまな薬品を調合。パルプを強くしていきます。
次に、繊維を均一に広げるために「抄紙(しょうし)」の工程です。ワイヤーの上に乗せて流していきますが、この工程においてプレスロールで挟みながら水分を落としていきます。その後は、熱によってパルプを乾かし、水分が10%以下になるまで乾燥させます。
ここまで出来上がってきたら、後半は仕上げの工程です。下塗りをして表面に化粧をし、さらに表面を滑らかにしていきます。最後にカッターを使って均等な大きさにカット。このようにして、ようやく紙が完成します。
次に、繊維を均一に広げるために「抄紙(しょうし)」の工程です。ワイヤーの上に乗せて流していきますが、この工程においてプレスロールで挟みながら水分を落としていきます。その後は、熱によってパルプを乾かし、水分が10%以下になるまで乾燥させます。
ここまで出来上がってきたら、後半は仕上げの工程です。下塗りをして表面に化粧をし、さらに表面を滑らかにしていきます。最後にカッターを使って均等な大きさにカット。このようにして、ようやく紙が完成します。